もう少しだけ、あなたのそばに


「ああ、ちゃんと受け取ったよ。」


『あ、そう。よかった。
新城さん、もう夕食は済みました。もしまだなら、ご一緒にどうですか?
あ、なんなら、私が作ってもいいんだけど。』


私は邪魔ってことね。大人の女って怖いな。

ズキズキする胸を片手で押さえながら、一応、キッチンへ向った。

もし、秋が外に食べに行くなら作る必要ないし、彼女に作ってもらうなら私はどこかに出掛けよう。



「君は何を勘違いしているんだ。」


『え??』


「君とは仕事上でしか、やり取りしてないつもりだけど。
それを会社でも間に合うものをわざわざ家に持ってくるなんて、迷惑だ。」


『そ、そんな・・・・私・・・・私』


「これから先もそのつもりだが、こんなことをされるなら君にはプロジェクトからは外れてもらう。
明日、人事を通して通知するから。

俺からは以上。もう、ここには二度と来るな。」


彼女の声を待たずに、秋は、インターホンを切った。