席に着くなり、彼女は言った。
「私、この間、秋人に聞いたのよ。
最近、疲れているみたいだから、大丈夫?って。
あなたは、気づいてた?」
「・・・・・・・・・」
「何も言わないってことは、気づいてなかったのかしら?」
「何が言いたいんですか?」
「彼の体調管理も出来ないなら、一緒にいるのは止めてくれないかしら。
今、彼は大事な時なのよ。あなたは、知らないと思うけど。」
まるで、私よりも秋のことを知っているのよと言わんばかりの彼女。
「わたしなら、彼の仕事もプライベートも完璧にサポート出来るわ。
彼のことを好きなら、あなたは、彼に今、迷惑をかけるべきではないわ。わかる?
もう、大学生なら、私の言おうとしていることくらい理解してもらえるわよね?」
畳み掛けるように息巻く彼女。
「私にあの部屋から出ていけってことですか?」
「フフッ、よかった。物分りのいい方で。」
その後、彼女はまた、何かを言って、気が済んだのか、秋が忘れていったとか言って、封筒を私に預けて
「じゃあ、よろしくね。」
と言って、帰って行った。