もう少しだけ、あなたのそばに


その涙を指で拭ってくれていた秋。


「花憐は、こんな情けない俺がもう、嫌いか?」


思いっきり首を横に振る。


「なあ、花憐。もう一度俺にチャンスをくれよ。

もう、絶対に花憐を泣かすような事はしないから。

毎日、愛してるって言うから。

花憐が不安にならないように。

悲しくならないように。



毎日、花憐を抱き締めるから。



だから、花憐、俺と結婚してください。」



私に頭を下げる秋。


いつもはちょっと俺様な秋が、今は私に頭を下げている。

ただの身内も居ない一人ぼっちの女に。


「秋にとって私は必要ですか?」


「ああ。」


「私が秋の傍にずっといてもいいの?」


「もちろんだ。ずっと居てくれないと困る。」


その言葉に私の心の中がじんわりと温かくなる。


今度は私が秋の腰に手を回し、ギュっと抱きしめる。


「秋の傍に居たい。・・・・・一緒に・・・居たい・・よっ。」


最後は涙でちゃんと言えなかった。