今まで通り一緒にいる話をしていたつもりだった私は、一瞬耳を疑ってしまった。
「・・・・け・・結婚って・・・」
そんな私を困ったような顔で抱きしめると、
「花憐と一緒に暮らす時、母さんから約束させられたんだ。
花憐が大学を卒業するまでは結婚は許さないって。
俺も花憐の為にもその方がいいと思った。その間に花憐を俺に振り向かせればいいって思っていたしな。」
ゆっくりと私を離して、その大きな掌で私の頬を撫でる。
その顔はとても優しく微笑んでいた。
けど、すぐに真顔になると、
「でも、心配でたまらなかった。
花憐が俺以外の奴を好きになったらって。
どこかで変な奴に絡まれていたらって。
だから、花憐が拒否しないことをいいことにして、家に閉じ込めた。
それでも不安は消えなくて、花憐を抱いてしまった。
好きって言葉を言ってしまうと、自分で抑え込んでいる独占欲を抑えることが出来ないような気がして言えなかったけど、花憐を抱いているとその不安が少し薄れるんだ。
こうして、花憐を抱いていれば、花憐は俺から離れて行かないって。
その事で花憐をこんなに傷つけていたなんて気が付かずに。」
いつの間にか、頬に涙が零れていた。
