もう少しだけ、あなたのそばに


私の手を引いて自分の車に私を乗せると走り出す車。


二人とも何も話さずに、ただ過ぎていく景色を見つめていた。



高速道路を下りてからもしばらく走って車が止まったのは、湖だった。



もう紅葉シーズンも過ぎて寂しくなった木々たち。


観光シーズンでない湖はとってもしずかだった。



車から出て、湖に近づくと、



「ここ、覚えている?」



秋が隣に立って湖を見ている。



「はい。小さい頃、ここでよく遊びました。」



「ああ、うちの別荘と花憐の家の別荘があったからね。」



そう小さい頃、秋の家族と一緒に私たち家族もよくここで夏を過ごした。


いつも小さな私の手を引いて、この湖まで連れて来てくれたは秋だった。



なぜか、ここに来ると両親といるよりも秋といることが楽しくて。


いつも秋の後ろに付いて回っていたっけ。