もう少しだけ、あなたのそばに


それから、本当に秋の部屋には誰も入ってこない。

呼び出されて秋が出て行くたびに、申し訳ないって思ってしまう。


でも、そこまで徹底して私に気づかってくれるのならと、私もトイレ以外にこの部屋から出ないことにした。


お昼は、島津さんがどこかの豪華なお弁当を用意してくれて、部屋で秋と二人で食べた。

とっても豪華なお弁当で、申し訳ないくらい。

繊細なそのお味に、舌鼓を打っていると、


「やっばり、花憐の料理の方が美味いな。」


なんて、罰当たりなことを言う秋。


私の味を気に入ってくれているのは、嬉しいけど・・・・・。


いつか秋が結婚するとき、その奥さんになる人に、

「あの料理を教えておけ。」

とか言いそうだな。

なんて、考えると、心がチクリと痛みだす。


午後は、殆ど会議のようで、部屋に居ない秋。


その代わりに島津さんが、私の事など気にしなくてもいいのにチョクチョク様子を見にきてくれる。


コーヒーや紅茶を飲みながら、少し話をすると出て行く島津さんに申し訳なさが募る。

私の所為で仕事に支障は出ていないだろうか?


夕方、ずっと活字と睨めっこしていた私の目の疲れは限界で、目頭を押さえているところに島津さんがやってきた。