あたしはアイツの名前知らないよ？
会ったのだって、今日が初めてだし。
その時。
“キーンコーン…”
チャイムが鳴った。
もう話すことはないだろうし。
今まで会わなかったんだから、もう会うこともないだろうし。
あたしはいつものように、自分の席についた。
しばらく…いや、かなりたってから、担任の田中が入ってきた。
田中は遅刻魔教師で、校内でも有名な先生だ。
授業だって、すっぽかしたり遅刻したりと、最低でも５分は遅刻するというすげー奴。(←ある意味)
｢おーい、静かにしろ～｣
教室のざわつきが少し減る。
｢今日は転校生を紹介する～｣
田中のこの一言で、教室は完全に静かになった。
