“コンコン”



ドアがノックされた。



「…だれ?」

「牧原です」



あたしはドアを開け、牧原を部屋に入れた。



「どうしたの」

「お友達は、お帰りになられましたか」



振り返り、牧原の顔をまじまじと見つめる。



「遥はこういうのがタイプかぁ…」

「姫央さん?」

「……あ゙」



あたしのバカ。



「な、なんでもないっ!それより、何の用?」

「社長がお呼びです」



社長っていうのは、あたしのお父さんのことね。



「あたしを?」

「はい」



お父さんがあたしを呼ぶって、めったにないよね?



…なんか怖い。



「では、行きましょうか」

「…うん」



あたしは牧原の後に続いて、リビングに向かった。



“ガチャッ”



「姫央、そこに座りなさい」

「…うん」