「アイツ…分かりやすすぎるんだよ」
そう呟いて、少し笑う田辺の視線を追う。
……ん?
「…千果ちゃん?」
ステージの隅に、ガチガチに緊張した様子の千果ちゃんが、直人くんと話していた。
ねぇ、もしかしてさ…。
「アンタ知ってんの?!」
「気付かない方が、どうかしてる」
千果ちゃんの気持ち知ってたの!?
なーんか、力抜けたかも。
「返事、は…?」
恐る恐る聞いてみた。
「……さぁな」
お楽しみに、とでも言いたそうな田辺の顔。
なんだ、そんなに心配いらないじゃん。
あたしへの恋心は、綺麗サッパリ忘れてほしい。
あたしには、こたえられないから。
待ってる人がいる限り。
「お前は?」
「え?」
「どーすんだよ、アイツのこと」
…どーするって。
出来れば、触れないでほしいんですが…(泣)
1ヶ月過ぎて、なんの連絡もなくて、どこで何してるのかも分かんない。
だけど元々、1年で帰ってくるほうが無理だったんだ。

