しばらく沈黙が続き、この微妙な空気を、さらにしんみりさせたのは姫央だった。
「…明日、行っちゃうんだね」
また、鼻声になってる。
「あぁ」
「もう、帰って来ないんだよね」
俺の服の袖をギュッと握るその手は、小刻みに震えていた。
「今までみたいには、会えないんだよね」
………。
1週間触れないだけで、限界に達した俺なのに。
…大丈夫か?
「あたし、泣かないって決めてたのに…っ」
また、泣かした。
やっぱり泣かした。
俺はコイツを泣かすばっかりだ。
出逢ってから今まで。
こんな泣き虫、本当に置いていきたくはない。
置いてくことがどれ程不安か、お前分かってんのか?
「……っ…」
俺は再び、その小さな体を腕の中に閉じ込める。

