【流♂side】



………。



「………。」



今俺の目の前には、寝息を立てながら熟睡中の姫央。



現在火曜の朝。



出発は日曜。



俺は最近、コイツに極力近付かないようにしてる。



今だって、その白い腕とか、柔らかそうなピンク色の唇とか。



寝ている隙に触ってしまいたい。



いやむしろ襲ってしまいたいけど、俺の理性がそうはさせない。



…なんでって?



ダメなんだよ。



後戻りは出来ない。



今一度でも触れてしまえば、歯止めがきかなくなるだろ。



そしたら1年以上お預けだ。



それならいっそ、知らない方がいい。



だからベッドだって別々。



だから寂しそうな顔した姫央を、見て見ぬふりした。



これも仕方ないことだと、自分に言い聞かせて。



俺だって、本当はかなり不安なんだよ。



心配しないわけがない。



他の奴に取られはしないだろうか。



離れている間、気持ちは変わらないだろうか。