いつものみんなじゃない。



なぜかはりつめた空気。



どうしたの…?



「………」



誰もなかなか口を開こうとはしない。



流なんていつもの無表情で、窓の外を見つめて、誰かの口が動き出すのを待っているみたいだ。



どうなってるの?



「……あのな」



ここで流のお父さん、龍一さんが口を重そうに開く。



「お前達に、言うことがあるんだ…」



???



そんなにも言いづらい事なの?



先をなかなか言おうとしない龍一さん。



「なに」

「…あぁ、えっと。そのだからな…」



おいおい。



今沢財閥社長が、そんなんでいいの?



「もう、シャキッとしなさいよ!あなた父親でしょ?」



バシッと音をたてて、紗希さんが龍一さんの背中を叩いた。