「…ううん」
あたしは、それが流の願いなら応援する。
「嘘つくな。なんか勘違いしてるだろ」
「勘違いなんかじゃないよ!将来って、大事だもん!」
流にとっても、あたしにとっても。
「分かってるよ」
「………」
大事なのは、今どうするかで決まる未来だ。
「でも俺にとって、1番大事なのは」
流は足を止め、あたしを見る。
「お前との将来だけなんだけど」
その強い瞳に。
その綺麗な漆黒の闇に。
吸い込まれそうになる。
「…あたし?」
「お前」
「…今沢財閥、じゃないの…?」
「それは二の次」
あたし、自惚れてもいい?
流も同じこと願ってたって。

