「お賽銭入れる」
「はいはい」
初詣と言えば、お賽銭でしょ?
お賽銭を入れなきゃ、新年が始まった気がしないんだよね。
何円入れんのかって?
そんなの決まってるでしょう。
もちろん…
「金持ちのくせに5円?」
そう、ご縁がありますようにと5円。(←庶民的)
「別にいいでしょっ!」
そう言う流だって、手に持っているのは、
「…10円じゃん」
あたしとたいして変わらなく無いですか?
「今10円玉しか無かったんだよ」
「あそ」
「……(怒)」
あたしは5円玉を、隣の流は10円玉を、お賽銭箱へほおり投げた。
そして、手を合わせ目を閉じる。
毎年毎年、神様に頼みたい事なんて、星の数ほどあるけれど。
今年はひとつでいいや。

