「去年最後と、今年最初のお前の唇は、俺がもらったから」
悪戯に笑ってる流が、月明かりできれいに見えた。
「長いよ…!」
少し拗ねたように言った。
あたし達、年越しキスしちゃったよね!?
今思い出しただけでも、顔から火が出そう(恥)!!
だって、今までで多分1番長かったから。
「顔、赤い」
流があたしの熱い頬に、手の甲で優しく触れる。
「…うるさい」
あたしの、今年の初チュウ奪っておいてさ。(←※初チュウも奪われている)
その、なんの悪びれもない余裕でいっぱいの笑みがムカつく…!
いつも冷静で、不機嫌そうで、でも余裕そうで、意地の悪い顔してる。
でも、それでも好きなんだもんね。
不思議だよ。
世の中不思議なことは、いくらでもあるんだ。

