“ザッバーン”



波がおしては引いてを繰り返す。



波は一度引いても、きっと戻ってくる。



何度も何度も何度でも。



「お前、そのマフラー誰の?」



俺は、隣でおにぎりを頬張る、姫央を見ながら尋ねる。



「え?あ、これは…」



なら、お前は戻ってくるだろうか。



離れても、また俺のところへ。



もし波のように戻って来なくても。



その時は、俺が捕まえて連れ戻してやるよ。



「…は?牧原の?…今すぐ海に捨てろ」

「ちょっと!!」



自分が思ってた以上に、人を好きになることってあるんだな。



誰がって?



んなの知らねーよ。