俺に持ち上げられてる姫央は、リンゴのように赤い。



「何が赤いの?」



………。



………。



「うぉ…!?」



声が聞こえたかと思うと、いきなり千果のドアップが現れた。



「なんだよお前、帰ったんじゃねーのかよ」



俺がそう言うと、千果は「エヘヘ」と笑う。



「だって流くん家、久しぶりなんだもん」



それ、理由になってないだろ。



「それより、姫央さんの写真なんか見つめちゃって独り言なんて、そんなキャラだったの~?」

「…お前黙れ」



……くそ(怒)



「ていうか姫央さんさぁ!!」



興奮をした様子の千果は、俺の両肩を掴んでくる。



「スゴい綺麗だった!想像してたよりずっと綺麗!いいよねー、流くんは」

「…なにが」(←冷)



千果は俺をギロッと睨む。