｢…で、誰が嫁だよ｣
｢もう、あたしと姫央ちゃんが仲いいからって、すぐヤキモチ妬かないの。子供ね｣
紗希さん、流はヤキモチなんて妬かないよ。
妬いてほしいのは山々なのですが…。
｢どこがヤキモチだよ。ただ｣
？？？
紗希さんと一緒にあたしはキョトンとする。
｢ただコイツは、俺の嫁ってだけ｣
流はあたしの腕をグイッと引っ張り、少し自分の方へ引き寄せた。
！！！
｢……ずるい｣
流はいつもずるい。
そんなこと言ったら、あたしがメロメロになるの分かってるくせに。(←※分かってない)
｢は？｣
｢…え？｣
あたし今、声に出てた？
｢なにがずるいんだよ｣
｢し、知らないよ？！空耳じゃない！？｣
｢ふーん｣
なにか納得のいかない様子の流だったけど、あたしは必死に目をそらし続けた。
