「いいなぁ、流は」
「そんな全然!」
「もう、あたしの嫁になってほしいわよ!」
あたしの声など耳に入っていない紗希さん。
完全に自分の世界に入り込んじゃっている。
「じゃあ、次は髪の毛をセットしにいきましょ」
「はい」
紗希さんに引っ張られて、髪の毛とメイクをしてもらいようやく準備完了。
「本当に流が羨ましいわ」
パーティー会場だと思われる部屋の扉を開けながら、紗希さんは言った。
「でもま、あたしにはあの人がいるからね」
そう言って紗希さんは、優しい瞳でパーティー会場の人ごみを見つめた。
あたしも視線の先を追うと、そこには今沢財閥の社長さんがいた。
今沢財閥の社長さん=流のお父さん=紗希さんの旦那様。

