「…姫央ちゃん」
「あ、はい?」
カーテンの向こうの紗希さんが口を開く。
「姫央ちゃんは、流のことが好きなのよね?(なんであたしじゃなくて流なのよ!)」
………。
目の錯覚かな。
幻覚かな。
疲れてんのかな。
病み上がりだからかな。
今、見えてはいけないものが見えた気がした。
「姫央ちゃん?」
「あぁ、はい!」
幻覚に気をとられすぎて、質問聞いてなかったかも。
「ならよかったわ」
「はい」
なんだったんだろ?
「姫央ちゃん、流に泣かされたら、いつでもあたしのとこにおいでね?(隙をついて流から奪ってやるわ)」
「あはは、そうします」

