「流がなんでいるの!?」

「牧原さんに呼ばれた」



ま、牧原っ!



余計なことを!



あたしの目の前には、あくびをしている流。



あたし、どーすればいいの!?



「冬休みに風邪引くとか、どんなドジだよ」

「うっさい!引きたくて引いたんじゃないんだから」

「………」

「???」

「…ほっぺ、赤い」



そう言った流の手が、スッと頬まで伸びてきた。



“ピトッ”



「ひっ…!な、なに…!?」

「カイロ」

「……(怒)」



コイツ…!



風邪ひいて熱出してる婚約者に、優しい言葉の1つや2つくらい、かけられないの!?



「もう、なんなのよっ!」



顔をそむけ、流の手を振り払った。



「…薬は?」

「………」

「いい歳こいて、まだ飲めないのかよ?」

「…うっさい」