忘れさせられるなら、何度だってしてやる。



アイツにされたのが1回なら、俺は何回すればいい?



何回すれば、あのたった1回を消せる?



「…んんぅ…っ」



俺、重症。



完治不能。



「……ん、はぁ…!」

「…赤い」

「だ、誰のせいだと思ってんの!?」

「あぁ、俺のせいね」



俺を睨む姫央だけど、俺には全然効果なし。



むしろ逆効果だ。



「ば、バっカ!!」



コイツ、桃井姫央。



意地っ張りで素直じゃなくて、おまけに強がりで頑固な女。



「なにそれ、誘ってんの?」

「はぁ!?」



でも、俺を必死にさせる天才。



俺から余裕を奪う天才。



「なに、物足りない?もっと激しいのがいいって?」

「んなっ…!い、いってない!!」



俺を、重い重い病にかからせた張本人。



「今日は一緒に寝てやるよ。手出さない自信はないけど」

「ふ、ふざけないでよっ!」

「真面目だよ」

「きゃっ?!ちょっと、どこ触ってんのよ!!」



そして。



俺の婚約者。