そんな姫央の細い腕を、逃がさないようにつかむ。
「ひゃ…?!」
少し力を入れただけで、体は簡単に俺の隣に戻ってきた。
「寒いんだよ」
「ば、馬鹿!いつまでもこんなところにいられるわけないでしょ!?」
「お前がドア開けねーからだろ」
俺がそう言うと、姫央はゴニョゴニョと俯いた。
「そっ…それは、その…」
「じゃ、もう入れるんだな」
「え?」
俺は毛布ごと姫央を抱え上げると、部屋に入った。
「ちょっと、何すんの?!下ろしてっ!」
「いや」
「ねぇ、やだって!!」
ジタバタ暴れまくるのをお構いなしに、歩き続ける。
そしてベッドにコイツを下ろして、俺もベッドに座った。

