わがまま姫♀




「……っく…」



一度流れ出てしまったら止まらない涙。



「なんでアイツなわけ?」

「……そんなの…分かるわけな…じゃんっ…!」



アンタだって、なんであたしなんかがいいのよ!?



分かんないよ。



当たり前じゃん。



「はぁー…。やっぱりお前らムカつく」



“グイッ”



田辺はまた、あたしを抱き寄せる。



「……離せ、バカ」

「いや」



手で胸板を押し返してもびくともしない。



バタバタしても無駄。



「ちょっと、ホントに離しっ…」



“ガラガラガラッ”



バタバタしているところに、教室のドアが開いた。



「「「………」」」



3人の間に沈黙が流れる。



だって、1番見られたくない人が、そこにいるんだもん。