わがまま姫♀




でも次に視界に入ったものに、あたしの笑顔は一瞬にして消えた。



「……え…」



だって。



なにあれ…?



少し遠くに見えた流は、知らない女の子と2人でいた。



隣の女の子は、誰だか分かんない、あたしの知らない子。



表情はここからじゃ確認できない。



だけど、なんだか親しげな雰囲気だ。



「………」



流が、女の子と親しげに話しているのは珍しい。



もしかして、元カノ…?



「……っ…」



胸の奥がグーッと熱くなって、誰かにギュッと握り潰されたみたいに痛くて。



……ヤバい。



これ以上見てたら泣きそう。



今日、やっぱりケンカなんてしなきゃよかった。



見なかったことにしてしまいたくて、すぐに窓を閉めようとする。