頼むからほっといてくれ。
「それとこれと、関係ないじゃん!」
「まぁ、まぁ。頼むよ」
そう言うと田中は、大量のプリントをあたしに無理やり押し付けた。
最後に、「結婚するんだから、仲良くしろよ」と言い残し、教室を出ていった。
「………」
バツイチ未婚のアンタに、恋愛アドバイスされたくはない。
でもこれやんなきゃ、もっと面倒なことになりそうだし。
渋々プリントの束を抱え、教室を出た。
まずはB組から。(※姫央はA組)
あたしは誰もいない教室に入り、プリントをひと束置いて教室を出る。
続いて隣の教室へ。
次から次へと、プリントの束を置いていく。
次で最後だ。
ただ最後だけは、階が違うためあたしは階段を上り、3階へと急ぐ。
“ガラガラガラ”
やっぱり教室には誰もいない。

