わがまま姫♀




あれから流との会話はゼロ。



さすがに後悔…。



大嫌いとか、言っちゃったし。



後悔ばかりが押し寄せる。



夕焼けで少し赤く染まる教室には、誰もいなくなってしまった。



流も帰ったかな。



鞄もないし。



「あたしも帰ろ…」



としたその時。



「おぉー桃井!よかったよかった。まだいてくれて」



はい…?



息を切らした田中が、前側のドアから顔を覗かせる。



「…今帰るところですけど、なんですか」



超いやな予感がする。



「これ、2年の各クラスに置いてきてくれないか」

「なんであたしが?!」

「お前、どうせ暇だろ。それに…」



この次に田中が言い出そうとしていることが、何となく分かってしまった自分が怖い。



「聞いたぞ?お前、今沢とうまくいってないんだってな?」



ヤケに嬉しそうなんですけど、このオッサン。(←担任)