流は手を離した。



そうだ。



あれはからかわれただけ。



自分で冗談だって言ってたんだから。



あたしが意識するのはおかしい。



「冗談を言われたの」

「……なんて」

「え、えぇーと…」



言わせんの!?



「…お、俺にしとけよ、って」

「はぁ…?」



あきらかに機嫌の悪そうな顔になる流。



だから言いたくなかったよ!



「…で、でも!田辺は冗談だって言ったし、津戸グループなのに、あたしに超偉そうだったし!」

「………」

「ほんっとにムカつく野郎なの!口悪いんだよ、とにかく。まるで流みたいに……あ゙…!」



思わず言葉を途中で切って、口を抑える。



地雷を踏んでしまった。



「………」



さっき以上に機嫌の悪そうな顔をする流。



うわ…(汗)



なにも言わないのが、余計に怖いです。