気持ちよくウトウトしてたら、なにやら騒がしい奴がやってきた。



「姫央っ!どーいうことだよ!?」

「…なによ」



陽向だ。



「だって姫央、婚約取り消さなかったんだろ?!いいのかよ!」

「うん。取り消す必要なくなったんだもん」



あたしはホットココアを一口飲む。



「俺は大丈夫なんだよ!それなのに、親に決められた婚約者なんかでいいのかよ!?」



…まったく。



この子は、なーんにも分かっちゃいないよね。



「あのね陽向。親が選んだんじゃなくて、あたしが選んだの。きっかけが親だっただけ」

「……へ?」



陽向は頭にハテナを浮かべたみたいだったけど、あたしは構わずホットココアを飲む。



「え、じゃあ、姫央と流さんは…?」

「うん」

「あ、そう!それはよかった!いや、まじよかった!」