誰もいない校舎裏についた俺は、段差を見つけて上に座った。 最後の姫央の顔が、頭から離れない。 俺、失敗したよな。 完璧間違ったよな。 「…はぁ」 重い溜め息が、俺の気分をさらに盛り下げイラつかせる。 もしあそこで俺が姫央を行かせなかったら? …ま、もう連れてかれわけだし。 どーでもいいか。 もう関係ない。 俺たちはただの、表面上の婚約者なだけだ。 なにをしようが、とやかく言える立場じゃない。 きっと今頃、津戸らにちやほやされて楽しんでいるんだろう。 ………。 「くそ…!」