そしてついに始まった。
すんごい数のお客さんを前に、みんな堂々と演技をしてる。
「うわぁぁん(泣)」
「じらゆぎびめぇ(泣)」
以下同文。
そして流の登場。
“パカラッパカラッ”
「は、白馬の王子様!」
「し、白雪姫を!」
「お助け下さい!」
小人達の台詞が終わり、次は流の台詞…だったはずなのに。
「この目覚めの粉を…」
「なに言ってんだよ王子様~!目覚めの粉じゃねーだろ~?」
観客の中の、男子生徒が叫んだ。
するとみんななにやら言い出して、いつの間にか会場が1つになってる。
「キース!キース!キース!キース!キース!」
あははは、キスだって。
誰が?
…………。

