こんな人数の前で、あんな恥ずかしい台詞を言うんだ…。
緊張するなんてもんじゃない。
MAXなんて、はるかに越えてる。
その時。
“ぽふっ”
あたしの頭に、背後から誰かが手をのせた。
と思ったら手が頭から離れ、低い声が降ってきた。
「緊張しすぎだ。恥ずかしいのは、お前だけじゃねーんだからな」
はい、みな様もうお分かりでしょうか?
この口調の荒らさ。
「…アンタだって、緊張しすぎでしょ」
「俺のどこが」
あたしがどうしても、素直になれない奴。
流くんです。
けどきっと、流なりの優しさなんだ。
「恥ずかしいのは、お前だけじゃねーんだからな」=「恥ずかしい時は俺も一緒だ」
みたいなね?
ちょっとやりずぎかな。
でもま、流なりに気をつかってくれてるんなら、これほど嬉しいことはないよね。

