15分って、早っ!?



喫茶店を舞台裏から覗いて見ると、すでにお客さんが数組入っていた。



あたしは舞台裏に戻り、最初のシーンの準備をする。



「武内、島崎、安藤!」



遥の声だ。



遥は牧原に恋してからというもの、男子に対しての態度がコロリと変わった。



「アンタ達3人で、このビラお願いね!」

「了解~」

「まかせとけって」

「ならひとっ走り行きますか」



遥がコロリと変わっても、みんな驚いただけで、その後はいたって普通。



さすが遥。



でも、ビラってなんのことだろ。



「遥、ビラって?」



あたしはまた舞台裏から顔を出し、遥に聞いた。