「クラスでの出し物は、なにがいいですか~」
実行委員の問いかけに、喫茶店という案しかでなかった。
ありきたりだな。
やる気ないのか。(←絶対人のこと言えない)
「はい、はーい!」
その時、加藤が勢いよく手をあげた。
そして加藤は振りかえると、俺と姫央を満面の笑みで交互に見た。
???
……的中率100%の嫌な予感。
加藤がこんな顔をして、今までいいことがあったためしが、あっただろうか。
「喫茶店の中にステージ作って、なにか劇やったらいいと思いまーす!」
「「「おぉー!!」」」
クラスがざわつき始める。
しかし、加藤の話しはまだ終わってはいなかった。
「勿論ラブストーリーで、主役はこのカップル!」
加藤は俺たちに人差し指を向ける。
「「「「おぉー!!!」」」」
さっきよりも、拍手が大きく聞こえるのは、多分俺だけじゃない。

