「…お前も暇だな」
「はは、よく言われる」
その写真と言うのが、(多分)プールから帰る電車の中の写真。
俺の隣に座ってた姫央が、肩に頭をのせて、その頭に俺の頭が寄りかかっていた。
2人とも爆睡だった。
………。
俺、寝てた?
寝てたのか?
「なんかね、相思相愛って感じしかしない!」
「「は!?」」
なに言ってんだコイツ。
「誰が、相思相愛ですって?!」
……げ。
面倒臭いのがきた。
姫央も露骨に嫌な顔をする相手と言えば、椎野百合果だ。
「ふふふ。もう嫌だわ。私と流くんのことかしら?」
そう言って、俺の腕に自分の腕を絡ませてくる。
あの事件以来椎野は、俺と無理やりラブラブになろうとする。
「アンタじゃなくて姫央よ!!」
“ドカっ”
「ぎゃっ!?」

