あたしはニヤケル顔を必死に堪えながら、遥と牧原の顔を交互に見た。
「遥さんも、お嫌いではなかったですか?」
「え、あ。は、はい!(あなたが出してくれたものなら、どんなものでも)大好きです!」
「それは良かったです」
…なんか今。
聞こえない声が見えた気がする。
「では失礼しますね。なにかあったら、またいつでも言って下さい」
そう言って牧原は、静かに部屋を出ていった。
「姫ー央ー!!!」
「どぇっ、どーしたの!?」
牧原が出ていくなり、あたしに抱きついてきた遥。
「牧原さんがっ…牧原さんがぁ…!」
「なに、落ち着いてっ!」
あたしがそう言うと、遥はオレンジジュースを一口飲み、落ち着きを取り戻した。
「あたしの名前、覚えててくれてたの~!!」

