「姫央、これ着てみて!」

「はいはい…」



お母さんが選んだのは、綺麗な赤の着物。



確かに可愛いけどさ。



あたしが着ても大丈夫?



個室に入り、お姉さんたちに着付けてもらう。



「あら♪意外と似合うじゃない。これにしなさいよ」



意外とって…。



それから、髪も上にあげてもらって、お化粧もしてもらって、準備万端。



「じゃ、いきましょうか」



…ドクン…ドクン…



い…いよいよだ。



「お、お母さん。相手の人って…?」

「…ま、まぁ、行けば分かるわよ」

「……?」



なんか、変じゃない?



きのせい?



「つきましたよ」

「牧原、ありがとうね」



牧原にお礼を言ってから、車からおりるお母さんに続いて、あたしもおりる。



着物だから、足が開きにくいったらありゃしない。