「…ちょ、授業は!?」

「そんな顔で、授業なんか出れんのかよ」

「…え」



俺は階段に姫央を座らせ、その隣に自分も座った。



なんでこんなことをしたのか分からない。



今からコイツとなにをするのかも分からない。



けど、体が勝手に動いたんだよ。



悪りーかよ?



「……ねぇ」

「…なに」

「あたし、まさか17で婚約させられるなんて、思ってもみなかった」



そりゃそうだろ。



俺だってそうだ。



「もう仕方ない事だよね」



顔と言葉が矛盾してんだよ。



「だから大丈夫っ!余裕!」



姫央は自分に言い聞かせるように言った。



口だけは強気だけど、顔は泣きそうだった。



自分じゃ気付いてないみたいだけどさ。