『それじゃ、いかないとなぁ―』 空を見ながら言った。 背伸びする。 『んーーーっよっと』 立ち上がって屋上のドアの方を向く。 『凛さんは怒るとほんと怖いからねー』 アノ被害は受けたくない。 『よし、急ごう』 少しずつ歩きながら独り言のように言う。 『あ、綺麗』 偶然視界に入った空に虹が架かってた。 意外に大きい。 雨は降ってないのに… 『珍しいことでもあるものだねー』 ほんと珍しい。 なんかいいことでもあるのかなぁ? そんなことを思いながら歩く。