そのままずっといじられ続け、百はそれを見て笑っていた。
まぁ百が笑顔でいるんだったらこれも悪くないと心の中で納得した。
その日の放課後、溜まり場として利用している倉庫へ百を連れていった。
もちろん俺のバイクに乗って、な。
他の4人はそれぞれ自分のバイクでだけど、心愛は今日も倉庫へは行かないと言うから加賀見は家まで送ってくれた。
あー…そういや心愛に百のこと紹介してねぇな……。
あいつ最近倉庫にもこねぇし…まぁ明日でもいいか。
今は倉庫の目の前にいるんだけど…百が異常なほど緊張しているのがわかる。
「んな緊張すんなよ。
いい奴らばっかりだぞ?」
百「でも…やっぱり緊張します。」
「まぁ百にとったら関わったことのねぇ連中ばっかだもんな。
とりあえず行くぞ。」
百の手をそっと握り、中へ入った。
そんな俺の姿に下っ端たちは目が点になっていた。
春「ちょっと心ちゃーん!!
来るの遅いよっ。」
「百のせてんだから無茶に走れるわけねぇだろうが。
お前馬鹿か。」
春「あ、そうだったね!!
心ちゃんの大切な、しかも初恋の女の子をのせて暴走なんてできないよねーっ。」
春がやたらと大きめな声で言うと下っ端達はさらに動揺しだいた。
……こいつ、ぜってぇ楽しんでるな。
百の手を引っ張り、下っ端達の前に立った。
「急で納得できねぇ奴もいると思うが、春がさっき言ったように俺は百に惚れている。
そして無理言って姫としてここにいてもらうことになった。
反論があれば俺が聞く。」
しばらくシーンとしていたが、ワッといきなり騒ぎ始めた。
-総長!!初恋おめでとうございます!!-
-総長もついに女をっ…!!-
-精一杯守らせてもらいます!!-
次々と色んな言葉をかけられる。
……俺って本当に幸せだな、こんな仲間がいるなんてよ。
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