私と祐介の出合いは、高1の春。

入学式直前からなの。


~25年前~


「あぁ、緊張するなぁ…こっちに来たの初めてだし…私、ちゃんと話せるかなぁ、友達出来るかなぁ、彼氏…できるのかなぁ!」

私は、この時愛知県から
親の仕事の都合で大阪に越してきた。
それが、まだ小学生とかだったら
まだしも、恋に悩めるJK!
JK=女子高生!
そんな華の女子高生が
友達もできなくて
彼氏なんてできるわけがない!

愛知県で出来た折角の彼氏も
この引っ越しのせいで別れちゃったし…
もぉ、最悪!

私は、頭を抱えながら
ぅんぅん
唸っていた。

『あの、大丈夫?』

「えっ?」

振り返るとそこには
白馬の王子様がっ!!
私がずっと見つめていると
微笑んで

『自分、頭大丈夫なん?さっきから人に、ガン飛ばしとるけど。』

「は、はぃぃぃいいい!?」

なに?こいつ?
白馬の王子様じゃなくて
悪魔の王様!?
失礼しちゃうわ!

『なんや?ボクのこと、白馬の王子様って思ってたん?残念やねぇ、そんなかっこええ王子様やのーて、王様で。』

そいつは、意地の悪い笑みを浮かべて
こっちを見た。

「わ、 悪いの!?そんな腹黒で残念な性格だったって分かってたら、そんな風に思わなかったわよ!」

そしたら、そいつはクスクス笑っていた。
でも、その瞳の奥はなんの変化もなかった。
まるで、氷の様に固まっているような…
はたまた、ロボットのような…