大学入試を控える高校3年の冬。

 中学の頃に一度家庭教師に来てもらっていた、れんちゃんこと杉岡恋(スギオカレン)さんに再びお世話になっていたあの頃。


 最近は調子が良くて、勉強もさすがに自分からするようになって家庭教師に来てもらう回数も減りに減った。凄く残念だけど、遊びじゃないことは分かってるから我が儘も言わないしちゃんと勉強もする。
 だって、れんちゃんは次に会った時に私が少しでも成長してたら褒めてくれるもん。他の大人とは違う。


 れんちゃんは、ちゃんってガラでも歳でもない(24だよ!)けどなんとなくそう呼びたくなる雰囲気をいつも振り撒いてる。
 昔は近所に住んでいて、よく遊んで貰ったらしいけど、私はすっかりそのことは忘れていた。母さん同士が仲良かったみたい。
 知ってる間柄なんだって分かったら、そう呼ぶのが懐かしく思えて頻繁に呼んでしまっていた。
 勉強中は流石に睨まれたりしたけれど。