「治るのか?」

北島は静かに首を振る。

「もう目を覚まさないかもとも言われているわ」

「父さんは?」

「いない、出ていった」

え、じゃあ…

「北島や弟妹はどうなるんだ」

北島は、またもや驚いた表情になり、目を見開いた。

「なんで…、知ってるの?」

「たまたま、歩いているところを見かけた」

少し怪訝そうな顔をしたが、北島は言った。

「今は貯金とバイトでなんとかもってるけど…」