「うーん、ちょっと甘いなぁー。あ、ついでにね、俺はビターかブラックが好き」
ふわりと香る甘いチョコレートの匂いと、聞いてもいない情報を 教えてくれた彼は、私と机を挟んだ対面にあるソファーに座った。
「君も座ったら?ずっと立ってると疲れちゃうよー」
ヘラヘラと笑いながら、先ほど食べたお菓子の袋を折りたたみ、小さく結んでいる。
言われた通りにソファーに座ると、奥の部屋から生徒会長が戻ってきた。
「煩いと思ったら…ユイト、もう、連絡は回ってるのか?」
目元の腫れはだいぶ収まっている。
いつもの全校集会で壇上にいる生徒会長の顔だ。
「んあ?あ、やあ、カタリー。そだよ、俺チョー頑張って連絡とったー」
呼ぶ?、と聞くユイトさんに、素っ気なく、ああ、と生徒会長が返した。
「じゃあー、入ってきてー」
扉に顔を向けながら、気怠そうに彼が言うと、静かに扉が開く。
