後先考えず、とはこのことなのか。

ギラギラと降り注ぐ真昼の太陽。
それをガラス1枚隔てた室内から、呆然と眺める。

「洗濯物すぐ乾きそう…」

「よそ見すんな。ほら、それはこっちの束に重ねる」

「あ、はい」

金曜日にカタリさんから、意味深なことを言われた当日。
集合場所は、学校だった。
正直、何か面白いことがあるのかと思った矢先だったので、少し残念だ。

かと行って、話の流れ的にデートをしよう展開だったら、それはそれで困っただろう。
なんせ、カタリさんも私もお互いのことを好きじゃないから。

「いつもお休みの日に、登校を?」

来て早々に任された書類整理も慣れてしまい、今は作業だ。
それに飽きて、話しかけてみるものの、あまりいい返答が返ってこない。