月数回、本当はいけないが、サボっていい日がある。
それは、卒業できるギリギリの授業欠席の日数だが、それを守れば進学できてしまう。
たまに、必ず受けないと後々面倒そうなテストのときなどはサボれないが、授業を抜け出して背徳的な感情を背負いながら廊下を歩くのは結構なクセになる。
「ーーーっ、うるさいっ、僕には僕なりの考えがあるんだ…っ」
突然聞こえてきた嗚咽混じりの声。
聞いていると、たまに感情に任せて声を荒らげている。
誰だろう。
聞いたことあるような、ないような、そんな声にモヤモヤした。
正直、誰が泣いてようが構わない。
問題は、この聞いたことある声の主の正体だ。
我ながら酷いな、と心の中で呟いて、周囲を見回す。
使われない空き教室が数部屋ある。
ここは創立者の糸崎家が建てた学校。
月に数回、徘徊させてもらってるが飽きない校舎の造りや設備は魅力的だ。
ただ、各部屋の扉が冗談みたいに大きいのはどうなのだろう。
