犬系彼氏とシャイ彼女

桜を眺めながら廊下を歩いていく。
少しずつ桜の木の花びらが散っていて、ちらちらと若い葉っぱが見える。
「今年の春もそろそろ終わりかぁ…。」
元気な声がグラウンドから聞こえてくる。
「次ー!行くぞ!!」
「はい!」
ボールが低くワンバウンドし、そのボールを軽々とキャッチする。
一つ一つの動きが滑らかで、素直にすごいと思う。
見渡していると周りより一際高い黒髪の人が見えた。
あれは…白川くん?
バットを振るも、振り遅れてるらしく、何回も挑戦していた。
「おら、振り遅れてんぞー?」
「…うっせ!ギリギリのコースで投げてくるからだろ!?」
「文句言うなって。俺これしか投げれねーし。」
「嘘付け!」
ギァーギャーと言いあいながらもコツを掴んだみたいで、ボールは前の方に飛んで行った。
多分負けず嫌いなんだろうな…。
なんとなく面白くてちょっとだけ笑ってしまった。
「あ、今日は愛に分からなかった所教えてもらわないと。」
急ぎ足で歩いて教室に入る。
「愛…宿題で教えて欲しいところが…。」
「あら。あお、おかえり。」
「どどどど、どうしたの…?」
なんだか雰囲気が違う。
「実はね。明日、あたしのお父さんが帰ってくるのよ。別に帰ってこなくてもいいのに。」
いつにもましてどこか嬉しそうな表情をしていた。
愛のお父さんは海外に居るらしく、年に一度くらいに帰ってくる。
口では毒を吐くけど親友が喜んでると、私も笑顔になる。
「良かったね。」
「…そうね。明日が楽しみだわ。」
そしてチャイムがなり、席についた。