…まあいい。 少女の背中に腕を回して引き寄せる。 向かいあって少女を抱きしめるようなかたちになった。 「これが恋人同士だったらよかったなぁ?」 耳元で囁く。 俺に目をつけられたのが悪かったな。 陶器のような白い首筋。 そこに歯を這わせーーーようとしたとき。 「やめといたほうがいいよー?」 俺が顔を上げると、くつくつと。 心底おかしそうに笑い始めた少女。 …とうとう狂ったか? それとも抵抗のつもりか? そんなのは無駄だ。 再び、首筋に顔を近づける。 少女が息を短く吸った。