淡い月明かりが差し込む部屋の中。


「わー、すっごーい!あたし初めてみたあ」


目の前の女…いや少女と言った方が適切だろうか。


「へぇえ、本当にいるんだねぇ」


くりくりした瞳をもった精巧に作られた人形のような容姿の少女は俺を見て笑顔で感嘆の声を上げた。


そんなに見るな、穴が空く。


「ていうか、え、なになに?あたしターゲット?うっそ、嬉しいんだけど」


「俺はまだ何も話してないんだが」


「うっわあああああ、しゃべったあああああ!」


「…」




やかましい。

思わず眉間にシワを寄せる。
もう少し落ち着けないのか。