「航はそんなことしないもの、ね?」 「…ああ」 「 呼ぼ?」 ―――ああ、イタイ。 疑ってくれたほうがまだマシだった。 俺を信じる純粋な君の想いがイタイ。 これは俺がやったんだ、と言ったら彼女はどんな反応をするだろうか。 『疑ってくれればまだ救われた』 血溜まりとぴくりとも動かない彼女の父を見下ろした。